法定相続情報一覧図が使える相続手続きの種類
1 法定相続情報一覧図が使える代表的な相続手続き
相続手続きをする場合、まず必要になる作業は相続人の調査、確定です。
具体的には、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本などを集め、客観的な資料を用いて相続人全員を明らかにする作業を行います。
不動産の相続登記や預貯金の解約・名義変更などの各種相続手続きにおいて、基本的には相続人を確定させるのに必要なすべての戸籍謄本を提示しなければなりません。
戸籍謄本の量はとても多くなることがあり、これらを都度窓口などに持参して内容確認をするのは時間や手間もかかります。
こうした煩雑さを解消することができる制度として、法定相続情報証明制度があります。
この制度を利用することで、法務局から法定相続情報一覧図という書類の発行を受けることができます。
法定相続情報一覧図には、相続人全員の氏名、続柄などが一覧表にまとめられ、法務局による認証がなされています。
各種相続手続きの際には、戸籍謄本一式の代わりに、法定相続情報一覧図を用いることができます。
法定相続情報一覧図を作成するには、被相続人の相続人を確定できるだけの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を集め、相続関係をまとめた図と併せて法務局に申請します。
その後、法定相続情報一覧図の写しの申請書を提出すると、審査のうえで法務局から認証済みの一覧図の写し(以下、「法定相続情報一覧図」といいます)が交付されます。
交付は無料であり、複数部の発行も可能です。
法定相続情報一覧図は、不動産の相続登記、銀行や証券会社での相続手続き、さらには相続税の申告など、多くの場面で活用できます。
戸籍謄本の束を何度も提出する手間を省けるため、相続人にとってはとても便利です。
2 相続登記
不動産を相続した場合には、法務局で相続登記を行う必要があります。
2024年4月からは相続登記が義務化され、基本的には相続が発生し、不動産の所有権を取得したことを知ったときから3年以内に相続登記を行わなければならなくなりました。
これを怠ると、10万円以下の過料が科される可能性がありますので注意が必要です。
相続登記をする際に必要となる書類のなかに、遺産分割協議書のほかに、被相続人の戸籍謄本一式と相続人全員の戸籍謄本があります。
しかし、法定相続情報一覧図を提出すれば、戸籍謄本に代えることができます。
法定相続情報一覧図には、誰が相続人であるかが一覧として記載され、それが正しいことを法務局が確認して認証しているため、相続登記の必要書類として利用できます。
具体的な流れとしては、相続登記申請書に遺産分割協議書や法定相続情報一覧図を添付し、法務局に申請します。
法定相続情報一覧図は複数枚取得することができますので、相続登記のために提出しても、並行して別の手続きに法定相続情報一覧図を使用することができます。
3 相続税申告
相続税の申告は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
相続税申告書を税務署に提出する際には、相続関係や法定相続人の人数を証明するために、戸籍謄本等を添付する必要があります。
ここでも法定相続情報一覧図を利用することが可能です。
法定相続情報一覧図を利用すれば、戸籍謄本一式の代わりに提出することができます。
特に代襲相続が発生している場合や、多数の兄弟姉妹相続が発生している場合には、戸籍謄本を見ただけでは相続人関係が分かりづらいことがあります。
提出する際にも、抜け漏れが発生してしまう可能性もあります。
法定相続情報一覧図は、あらかじめ相続関係が確認されたうえで作成されていますので、このような心配はありません。
4 預貯金や株式の解約・名義変更
相続において多くの方が行うもののひとつに、預金口座や証券口座の相続手続きがあります。
銀行や証券会社においても、遺産分割協議書とともに、基本的には相続関係を証明できる戸籍謄本を提示する必要があります。
このときも、一般的には、戸籍謄本一式に代えて法定相続情報一覧図を提出することができます。
特に複数の金融機関に預金口座や証券口座がある場合には、法定相続情報一覧図を複数部用意することで、並行して手続きを進められることもあります。
5 法定相続情報一覧図があるととても便利です
法定相続情報一覧図は、不動産の相続登記、相続税の申告、銀行や証券会社での手続きなど、さまざまな相続手続きで活用できる便利な書類です。
従来は多数枚に及ぶ戸籍謄本の束を持ち歩き、提出しなければならなかった場面でも、法定相続情報一覧図を使えば効率的に処理できます。
相続手続きは複数の機関において同時並行的に進めることも多いものの、場合によっては戸籍謄本の原本の還付を受けられるまで一定の時間を要し、その間は別の相続手続きが進められないこともあります。
相続手続きの準備段階で法定相続情報一覧図を作成しておくと、結果として時間と労力の節約につながるといえます。
相続手続きの現場においては、時間的な制約や提出書類の煩雑さが大きな負担になることが少なくありません。
法定相続情報一覧図を活用し、スムーズに相続手続きを進められるようにしましょう。
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